NEWS

事例紹介 ~魅力ある職場づくり~ CaseReport3

2024.01.14

西新井病院では、看護職のやりがいやワークライフバランスの充実を図ることを目的に、「人材育成室」を立ち上げました。そして多職種が参加するカンファレンスを実施して、風通しのよい職場環境を実現。

また、新人を対象とした研修を、経験採用者も受けられるようにするなど、手厚い教育体制を提供した結果、離職率が低下するなどの効果が現れています。

この取り組みについて、人材育成室の川畑圭子室長に伺いました。

川畑圭子室長

多職種が参加するカンファレンスで、コミュケーションが活発に

看護師のワークライフバランスの充実を行い、やりがいをもって働き続けられる取り組みを中心に考える「人材育成室」を、2022年12月に立ち上げました。

まず取り組んだのは多職種連携の強化です。各科のカンファレンスに看護師や医師だけでなく薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士、社会福祉士、連携室のスタッフなどに参加してもらいました。それにより、多方面からの意見を取り入れることになり、今まで看護師だけの視点で考えていたケアの幅が広がって、さらに他職種との協力も増えて連携がスムーズになりました。

なにより一番のメリットは、カンファレンスで顔を合わせることで、日常業務の中の小さな疑問も気軽に相談できるような関係性ができたことです。職場の風通しがとてもよくなり、協力しあえる働きやすい職場ができつつあります。その結果が離職率の低下につながっているのではないかと思っています。

医師が講師となる研修で看護の質向上を図り、やりがいにつなげる

当院では一年かけて学ぶきめ細かく手厚い臨床研修プログラムを組んでおり、新人は必修ですが経験採用者も必要に応じて受けることができます。

中でも医師が講師となる研修は、各診療科による疾患の理解や処置、手技などを学ぶことができると好評です。例えば消化器外科領域では、実際の手術を見学するなどの体験学習ができます。

また地域包括ケアシステムを取り入れているので在宅診療に同行する研修もあり、地域医療の現状や患者さんの生活を知ることで病棟でのケアに生かすことができます。

こうした教育研修が現場の看護の質向上や、各自のやりがいにもつながっていると思います。

家庭の事情に応じた柔軟な働き方により出産・育児休暇後の100%復職を実現

△研修の様子(救急蘇生とAEDの取り扱い)

当院では短時間正職員制度を取り入れています。例えば、出産・育児休暇後3歳になるまで、その家庭の事情に応じて1時間の早退や遅出を取り入れたフレキシブルな働き方ができます。そのため、出産・育児休暇を取得した看護師が100%復職しています。

当院には子育て経験のある看護師も多いので、こうした時短の働き方や、子どもの発熱などの急な休みに対しても、「お互いさま」という意識で助け合っています。また、企業型の保育園と契約し、夜勤や土日勤務に対応できる保育園を確保しています。

一方、趣味などのサークル活動も盛んで、院内のスタッフが得意分野を生かした講座を開いています。講師となったスタッフの謝礼や試合の遠征費などは、福利厚生費で援助されます。ここでの横のつながりも、働きやすい職場づくりに役立っています。

看護部長からのメッセージ

患者さんに柔軟に対応できるジェネラリスト看護師の育成を目指します。

高由美看護部長

当院は、HCU・一般病棟・地域包括ケア病棟・療養病棟と4つの機能を持つケアミックスの病院です。そのため患者さんのさまざまな病状や状況に、柔軟に対応できるジェネラリスト看護師の育成を目指しています。

医師が講師を務める臨床研修や院内教育担当者を専任で置くなど、新人看護師はもとより経験採用者の教育にも力を入れ、レベルアップを図っています。こうした教育研修や福利厚生を充実させたことが、育児休暇後の復職や離職率の低下につながっています。


スタッフの声

研修の模擬練習で自信をもって採血でき、理学療法士にはベッドサイドでのリハビリを相談しています。

枡屋慧大さん(HCU)

月に1回以上は研修があり、そこで同期と顔を合わせるとホッとできます。研修内容は臨床業務に 直結していて、特に採血はしっかり模擬練習をしたことで、現場では自信をもって失敗なく行うことができています。

またHCUでは長期臥床により関節拘縮が進む患者さんもいるので、看護師ができるリハビリを理学療法士に相談するとすぐに教えてくれて実践できました。これも多職種連携の良さだと思います。


手術見学研修での学びをケアに生かし、周りのフォローで妊娠中も働き続けていられます。

清水真弓さん(急性期病棟)

急性期病棟では術後患者さんを看護することが多いのですが、手術見学の研修で、実際どのような状態で手術をされるのかがわかり、術後のリスクにもより注意できるようになりました。

また現在妊娠中なのですが、病棟を走り回らなくもいいように、新人の指導や部屋持ちを考慮し、リーダー業務などを担当させてもらうなど、とても配慮してもらっています。また、育児と両立しながら働いている先輩たちを見ているので、私も出産・育児休暇後は、ぜひここで働きたいと思っています。